整骨院経営が好きですか?
今回の記事は語弊を招く可能性がありますが、整骨院経営を私が実際に経験して素直に感じたことをお伝えしていきます。
あくまで一つの考え方として読んで頂ければありがたいところです。
まず、みなさんに一つお伺いしたいことがあります。
誰に気づかれることもないので、本音で考えてみてください。
あなたは整骨院の経営が好きですか?
私がまず、整骨院という業界で開業しようと思った理由は、柔道整復師になったこと、柔道整復師になりたかったことが大きな要因になっています。
簡単に言えば、柔道整復師は整骨院を経営するしかないと思っていました。
柔道整復師になる以前は、野球選手時代に多くの故障を経験し、野球選手を引退して以来、同じ思いで苦しむ方々を減らしていきたいという思いがありました。
そして、この思いがぶれることはありませんでした。(故障の詳細はコンセプトをご覧ください。)
そして、それは整骨院経営を辞めた今でも変わりません。
野球現役時より、トレーナーという職業に憧れを持ち、その道に進みたくなった時に、柔道整復師や鍼灸師という医療系の国家資格の存在を知り取得しました。
そこから、野球のトレーナー及び整骨院開業という目標を実現し、肩の痛みで悩める方々を一人でも多く救いたいという思いがよりいっそう強くなったことを記憶しています。
しかし、いざ開業してみるとどうでしょうか。
開業と同時に必ず毎月出て行く出費が存在します。
家賃、水道光熱費、その他、人を雇用すれば人件費といった経費がかかります。
これよりも多くの売上を上げなければ利益が発生しません。
また自分の生活もあるため、それらを賄うための収益を毎月維持していかなくてはなりません。
まさに「経営」の始まりです(『整骨院を開業するということは「経営者」になるということ』)。
「肩の痛みで悩める方々を減らしたい」という私の思いで開業したものが、自分の仕事の7割以上のウエイトを「経営すること」に費やしていました。
経営とは「収益性を高めること」です。
「稼ぎ続けること」が経営です。
様々なマーケティング手法を駆使し、顧客に対するメリットを追求しながら、それにあった商品やサービスを売り続けていくことです。
なかなかそういったドライな考え方を持って経営していくことが難しい私は、すぐに「これは違う」と思い始めてしまいました。
決して経営状況が悪かったわけではありません。
とにかくスタイルがあわなかったと言えば伝わるのではないでしょうか。
しかし、気がつけば、
・患者の人数を増やすこと
・一回あたりの施術時間をどれだけ短く治療できるか
・1回あたりの単価をどうやってあげるか
ということばかりにフォーカスして行ってしまう自分がいました。
軌道に乗れば分院を出し、その分院も軌道に乗れば、今度は美容に特化した鍼灸院を出し、自費のみで運営する業態も作りました。
というように、収益を重視に考えるようになってしまっていたのです。
そして沢山の店舗をもち、安定して何もせずとも生活できる程度の収入が入りだした時に、また本当にやりたいことをやればいいという考え方になってしまっていたのです。
始めは「肩の痛みに悩める方々を一人でも多く治したい」が純粋な目的だったのに大きく曲がってしまっていました。
気づいた時は、時すでに遅しです。
社員も16名ほどいました。
こうなったら、もう簡単に方向修正はききません。
スタッフの先生が突然に退職することもあります。
その度に人材確保に動かなくてはなりません。
人材紹介会社にお願いすれば高額な支払いが待っています。
母校の先生にお願いしたりしてようやく見つかったとなると今度は別のスタッフが退職する・・・こういったことが連続して発生します。
最終的には、私の能力足らずだったんでしょうね。
「肩の痛みに悩める方々を一人でも多く治したい」が「経営」になっていたのですから、面白いはずがありません。
好きでもないことで悩まされるわけですから。