整骨院を経営したら思ったような施術なんてできなくて当たり前
「柔道整復師」や「鍼灸師」は、「国家試験」を合格した後にどこかの「整骨院」もしくは、「整形外科」で勤務するのが通例です。
または極稀に、「国家資格」取得後即開業し、自分の「整骨院」を創り、患者の施術をしている例もあります(ちなみに私は取得後3か月でした)。
しかし、
現在の「柔道整復師」の大半は、整骨院業界にいる限り自分の思ったような施術ができない
という実情があります。
勤務しているならまだしも、整骨院を開業したら「思い通りにできるだろう」と思われるかもしれません。
しかし、「整骨院」は「患者」ありきの事業です。
つまり「患者」が思った通りの悩みを抱えてくれないと意味がありません。
そもそも来院してもらえなければ始まりません。
さらに悪いことに、世の中の人々の「整骨院」へのイメージは「保険の使えるマッサージ屋さん」です。
つまり、
大半の整骨院はマッサージすることを求められている
ということです。
「国家資格」なんて必要のない「マッサージ」を求められているのが実情です。
もし仮に集客が上手くいっても、経営状態を良く保つためにはスピードが求められます。
「患者」が次から次へと来院し、待たせようものならすぐに帰ってしまうため売上が立ちません。
「患者」を待たせないように施術するためには、とにかく「患者」をどんどん施術スピードを上げ続けます。
まるで「芋洗い」のような状態です。
「整骨院経営.com」では、そんな状態になった整骨院を「芋洗い整骨院」と呼んでいますが、これは事業の特性上仕方なのない状態です。
「芋洗い」しなければ売上がたたない状況です。
「芋洗い整骨院」になるか、閑古鳥が鳴いている整骨院になるか、現状の整骨院業界を考えれば二つに一つです。
しかし、それでも自分の思い通りに施術がしたいと思うでしょう。
その場合は、自分が現場を離れ、スタッフに業務を任せるようにして、自分は自費治療がとれるような施術を導入していこうと考えます。
しかし、この方法は得策とは言えません。
スタッフ教育や、スタッフのマネージメントは現場を離れ、片手間で行えるものではありません。
そもそも、自費治療への移行は基本的にうまくいきません(『整骨院の自費治療が失敗に終わっていく理由はシンプル』)。
いろいろ悩むも出るでしょうし、スタッフの大半はやめていきます。
そのためスタッフの補填を考えただけでもかなり大変な作業です。
これが現在の整骨院業界の実情です。