ある優良?整骨院グループ企業のスタッフの嘆き
先日、とある整骨院グループ企業のスタッフとお話する機会があり、我々としては興味深く、彼らとしては心のやりどころのないあハナシでした。
そのグループ企業とは、数十店舗を経営し、利益を生み出し続けている数字上見れば超優良企業でした。
一般的な整骨院での勤務を考えれば、適切な休日や給与額が保証されている企業です。
そんな優良企業とも思える整骨院で働くスタッフにどんな悩みがあったのでしょうか。
整骨院経営には保険内での治療がメインになるため、保険の請求を毎月行わなければなりません。
数十店舗クラスになればその件数は膨大になるため、同グループ企業内には、保険請求を取りまとめるための部署がありました。
私がハナシを聞いたのは同部署にいるスタッフでした。
彼らの業務は、全ての店舗から保険請求情報を集めて、最終チェックをおこなった上で、保険請求代行業者に任せる流れでした。
各院でのチェック、会社単位でのチェックというダブルチェックをおこなった上で、保険請求代行業者に送っているため、トリプルチェックをおこなった上での各保険者に振り分けを行っていることになります。
そしてしっかりと保険請求が行われ、同グループにしっかりと入金されていました。
では、これのどこに彼らが悩んでしまうようなことがあるのでしょうか。
それは
厳密に言えば不正と言えることが毎月まかり通っていると気付いていること
です。
整骨院業界を考えれば、当たり前のように行われていることであっても、保険請求の仕組みから考えれば不正になってしまうことがたくさんあります。
そんな厳密に言えば不正となることを毎月毎月大量に申請し、不正の肩棒を担がされてしまっているスタッフの精神状態はあまり良くないことは想像できるでしょう。
そこには、周りもやっているから・・・行政も目をつぶっているから・・・という理屈は通りません。
徐々に徐々に担当スタッフの心をむしばんでいってしまいます。
いつ不正と認定されつるし上げられるか分からない恐怖と闘うことになります。
厳密に言えば、現行の整骨院の運営状態を見れば、大半の施術が不正請求に含まれます。
それを保険請求の仕組みのせいにするのは全くのお門違いでしょう。
保険は国から支払われるもので、元々の財源は国民が支払うものです。
適切なルールに従って運用されていないのであれば、いずれ公となり是正されることは間違いありません。
むしろ今まで整骨院業界は保険による恩恵を受け過ぎたせいで、一般社会のニーズからかけ離れてしまったサービス状態になってしまっています。
そして多くの整骨院を支えている経営基盤は厳密的に言えば不正請求と言えるサービスです。
この業界の不安定さに気づいている人は私だけではないでしょう。
私と同じく気づいている人の大半は何らかの動きを始めています。