整骨院経営という事業は既に破綻している。
整骨院経営という事業は既に破綻しています。
これは、整骨院経営をしながら「今」食べていけているというハナシのレベルではありません。
「事業」というからには少なくても10年、長ければ永続的に発展していける見通しがなければ「事業」とは呼べません。
そんな視点に立って「整骨院経営」を見ていけば、既に破綻してしまっていることは明白でしょう。
整骨院の店舗数が飽和してしまっていること、保険の制度が変化してきていることは分かりやすい所でしょう。
しかし最大の問題は
柔道整復師との在り方まで揺らいでしまっていること
です。
整骨院に従事する方々は、大半が柔道整復師という国家資格保持者です。
主な業務は、骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷、の応急処置、その後の施術を医師の同意のもと行うことができます。
つまり、
柔道整復師は外傷に対する施術のスペシャリスト
です。
しかし、実情はどうなっているでしょうか。
施術の実情を見ていけば「ワンコインマッサージ」、「保険の使えるマッサージ屋さん」という位置づけになってしまっています。
そんな中で、リラクセーションサロンやリフレクソロジー、エステティックサロンといったライバルが増加しています。
超低価格店から超高級店まで様々なサロンが誕生している中、整骨院の単価は一定です。
保険の関係もあり単価をいじることはできません。
今やライバルが医師ではなく、リラクセーション系サロンになっているにも関わらず、価格を調整することさえできません。
自費治療で補えばいいと考えるかもしれませんが、そもそも自費治療は整骨院経営の枠をはみ出た考え方です。
自費治療で経営が成り立つのであれば、わざわざ「整骨院」という看板を掲げる必要はありません。
「整骨院」の看板を掲げれば、広告規制をはじめ、ただただしがらみが多くなるだけです。
もはや整骨院業界は、外的要因だけではなく、内部で働く柔道整復師の中でも崩壊が起きています。
そのため、これからの生き残っていく「整骨院」は「整骨院」とは名ばかりで、低価格でマッサージを行っていく利益率の低い状態でもスケールメリットでカバーできる大型の大企業だけになっていくでしょう。
これは一人の柔道整復師がどう抗おうが立ち向かうことのできない「流れ」です。
世の中が現在のように変化してしまった今、柔道整復師として現代の在り方に「適応」していくしかありません。
整骨院経営者は今後の施策が超重要な時期に差し掛かっている、むしろ少し動き出しが遅れている事実を把握しておかなければなりません。
柔道整復師の方はどのようにこれからの整骨院業界を渡っていくか具体的な施策があるでしょうか。
「事業売却(M&A)」が一つのキーワードになることは間違いないでしょう。